カイザー日記

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2009年 03月 06日

桜井ツアー外伝~水を運ぶ船~

こんばんは。カイザー今治支部長です。


今日、ある方からメールを頂き、ふと思い出がよみがえりました。。。

とても懐かしい思い出です。





椀舟の基地港だった江口港へ向かっている途中のこと

ガイドの大成ケイボンさんから「あれ、水道丸じゃない?」と一言

桜井ツアー外伝~水を運ぶ船~_b0146414_0302537.jpg


写真では見えづらいかもしれませんが、ファンネル(煙突)には旧・今治市のマーク。



        水道丸



この名前を聞いたことがある人も、初めて聞いたという人もいらっしゃることでしょう。



たぶん、きっと、普通に上水道が整備されている私たちにとって、水を運ぶ船という存在に

不思議な気持ちを持たれる方が多くいらっしゃるのでは?と思います。




水道丸は今治市所有の給水専用船で、今治市波止浜沖にある離島(来島、小島、馬島)へ
生活用水を運んでいた船です。


水道丸の歴史は古く、その記録を調べてみますと、
塩分の入った井戸水に頼る島民の暮らしを改善するために
昭和29年に初代「水道丸」が建造され、来島、小島へ水を供給し始めました。
やがて、馬島が吉海町から今治市へ編入されると、来島、小島、馬島へ
水を供給するようになりました。


その後、5代・半世紀にわたって、離島の人々の生活を支えてきた水道丸でしたが、
来島大橋の建設によって、陸地部から馬島への送水管が整備され、
昨年3月に来島と小島への海底送水管が完成したことによって、
水道丸は長い間努めてきたその役目を終え、昨年4月、惜しまれながら引退しました。



水道丸は、前日より船倉タンクに水をいっぱい貯め、波止浜港を出港します。
そして、来島、馬島、小島の順に約6キロを2時間半かけて回ります。

島に着くと、桟橋と船のホースをつなぎ、島の高台にあるタンクへ水を送ります。


たとえ海が荒れていても、たとえ世間がお休みでも、そんなことは関係なく、
来島海峡の潮流をかわしながら、大型船の航行をすり抜けながら、
毎日毎日、水道丸は水を運びました。
冬場は1日1回、夏場になると1日に2回も運んでいたそうです。



なぜそこまでするのかって??



離島に住む数十人の住民の命を繋ぐための、大事な大事なお仕事ですから。。。





僕も小さい頃、水道丸に乗ったことがあります。

といっても、波止浜港に停泊している水道丸に・・・ですけど。

船の人にタンクを開けてもらって、水がいっぱい入ったタンクの中を見せてもらったり、
僕のひいおじいちゃん家がまだ来島にあった頃は、来島の小高い山にある貯水場まで
登ってたりしてました。

今思えば、弟と仲良く遊び回ってた頃の数少ない思い出のひとつです。




生活インフラが整備され、人々の暮らしが便利になるのは良いことだと思います。
でも、水道丸が半世紀にわたって活躍してきた歴史や、島の人々との関係や思い出は
時代とともに風化してしまうのではと考えてしまいます。。。

今回の桜井ツアーで、偶然にも水道丸と出会えたことに、懐かしさやいろんな思い出が
蘇ってきましたが、何か巡り合わせがあるのかな?なんて感じる今日この頃です。




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by shinya-ue | 2009-03-06 01:52 | 日記


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